VistaとDiretX 10

ATINVIDIAGPUはDiretX 9までは対応しているが、まだ、DirectX 10対応製品は無いようだ?(勉強不足であったりして)
そんな中で、Microsoftの次期WindowsであるVistaでは新3D-GUIのAeroをDiretX 10ベースにするらしいという噂がある。
「DiretX 10ネイティブ・サポートのGPUも無いのに無茶するな」と思ったら。Intelの次世代チップセット「Broadwater」(ブロードウォータ)の一部である「Intel G965チップセット」の内蔵GPUはDiretX 10に対応するらしい?
これまでのIntelチップセットが内蔵するGPUはお世辞にも3D性能が優れているとは言えないものばかりで、ビジネスPCが求める必要最低限のグラフィック機能と言う感じで、専用ハードウェアのPixel ShaderとVertex Shaderを複数搭載したATINVIDIAGPUと比べるまでもなかった。そんな、コストパフォーマンスを最重視するIntelが、パフォーマンスにフォーカスしたGPUを出すメリットがあるのだろうか? とも思うが少なくともCPUではAMDと熾烈にパフォーマンスを争っているのだから、GPUで同じことをしてもおかしい事はないか。
ハイエンドGPUといえばトランジスタの集積度ではCPUを上回る製品も多く、古いCPUを凌ぐ演算能力を備えた製品も多い。となると、CPU同様にGPUでも市場占有率を高めるために、ATINVIDIAとの勝負に出たのだろうか。
一時期乱立したGPUのメーカーも淘汰が進んで、ATINVIDIAの2社に集束して凌ぎを削っているが、チップセット市場にも進出してIntel、VIA、ALIなどに混じってATINVIDIAチップセットを搭載したマザーボードも見かけるようになった。この辺がIntelを刺激したのかな?
昔、VIAがCyrixを買収してCPUビジネスに乗り出したとき、Intelからのプレッシャー(ライセンスや特許侵害などetc.)でVIAはCPUビジネスを断念して、IntelのCPUとバッティングしない帯域のCPUだけにビジネスをシュリンクしている。
同じように、Intelチップセットビジネスに参入してきたATINVIDIAを、両社の本業から攻めている方針とも思える。ATINVIDIAは、チップセットビジネスは諦められるが、両社の根幹であるGPUビジネスは諦めるわけにはいかないだろう。
Intelとしては、第4世代になるGPUを開発してG965に搭載しても、デメリットは何もないだろう。これまでの経緯から高性能なIntelGPUを期待するユーザーは多くないからだ。逆に、ATINVIDIAにとってはハイエンドGPUビジネスへIntelが参入することは大きな脅威だ。
安価でそこそこの機能と性能を提供するGPUIntelから供給されるとなると、ATINVIDIAはよりハイエンドな方向に進むことになるが、その市場は決して大きくはない。大きいのは一般PC向けの市場だ。これまで、両社は1〜2世代遅れたコアやクロックを落としてディチューンしたGPUでこの市場を支配していたが、ここにIntelが参入したら両社には深刻な事態だ。3Dlabsのように消えていくのは嫌だろうし、S3のようにビジネスを変換することも難しいそうだ。
IntelGPUは、ATINVIDIAのミドルからローエンドクラスに相当する製品だと思うが、この辺がIntelからのサインなのかな?

それから、IntelATINVIDIAのことは全く気にしていないというか眼中にない場合もある。
最近Intel製のマザーボードに他社製のGPUを搭載した製品がある。これは、チップセットの製造が間に合わないためというアナウンスがあったようだが、実際は顧客から要望が大きかったようだ。この辺のニーズにも影響されているらしい。